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京都府委員長が若い世代に語る。 憲法と日本共産党

《憲法が古いのか、日本社会の現実が古いのか①》

 2月15日、安倍首相は、就任後初めて自民党の「憲法改正推進本部」の会議に出席して改憲のホンネを語りました。維新の会・橋下共同代表も、読売新聞のインタービューで改憲への意欲を示しました。昨年の総選挙では、改憲を公約した自民党・維新の会・みんなの党が衆議院の3分の2の議席を占めました。安倍さんと橋下さんの相次ぐ改憲発言は重大です。日本共産党は、みなさんと力を合わせて憲法を守るためにがんばります。

 「日本国憲法は古くなった。社会の変化に合わせて改正すべき」というのが、改憲派の言い分です。本当にそうでしょうか?
 たとえば、憲法は、第24条で「両性の平等」を定めています。どんな法律も、「個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない」と謳っています。今、男女共同参画社会とかジェンダー平等ということが、社会の当たり前のあり方として肯定され、目指される時代になってきました。その意味で、日本国憲法第24条の規定は、「古い」どころか、時代を先取りした規定と言えます。むしろ逆に、日本社会の現実の方にこそ「古すぎる」実態がありませんか?働く人の3人に1人が非正規労働者で、「正社員になりたくてもなれない」のが日本社会の大問題ですが、女性に限れば2人に1人が非正規労働者です。これは、企業の採用にも問題がありますが、同時に保育所など子育て支援が不十分であるために、子供を産んで働きたくても働けない、あるいは介護保険制度がきわめて不十分なために、家族介護の負担が女性により重くのしかかる実態など、さまざまな要因が重なった結果でしょう。日本の女性労働者の平均賃金は、パート労働者も含めると男性の約5割。他の先進国は、概ね7割から9割です。管理職のなかに女性が占める割合は、他の先進国が概ね3割~5割ですが、日本は1割ほどという現状です。
  ですから、求められる結論は、「古い憲法を変える」のではなく、「古い現実を変えて憲法に近づける」努力ではないでしょうか?
  24条の他にも、教育権(26条)や労働権(27条)など、憲法にはすぐれた人権規定がたくさんありますが、同じように社会の現実と見比べて考えてみる必要があるでしょう。
 こんな話をすると、憲法制定当初は予想しなかった問題が起こっている、例えば「環境権」という新しい規定が必要ではないかという意見が出てきます。現にそれを理由に「加憲」を主張する政党もあります。しかし、これもよく考えてみる必要があります。
 この手の「改憲論」への答えは、たとえば憲法第13条にあります。これは、「国民の幸福追求権」を国政は侵してはならず、最大限尊重しなければならないという規定です。「環境権」は、まさに「幸福追求権」の応用問題として、それにふさわしい法律をつくればよいのです。日本国憲法の人権規定には、時代の発展に応えることができる懐の深さがあります。この手の「改憲論」は、結局、国民うけする論点を持ち出して、ホンネのところは9条を変えたいのではないか、と疑ってみることが必要ではないでしょうか?

 日本共産党は、「天皇絶対」の戦前からいっかんして、18才以上の男女の普通選挙権など「国民が主人公」の旗を掲げ、命がけでたたかった歴史をもつ政党です。このたたかいが、「国民主権」を原則とする日本国憲法の豊かな人権規定に実りました。そんな党だからこそ、人権がまもられ、その豊かな発展を願う皆さんと力を合わせて、憲法を守り、憲法が生かされる政治を目指して力をつくします。
 夏の参議院選挙で、改憲勢力の野望を許さず、「憲法守れ」の国民の意思をハッキリ示すためにも、比例代表選挙では日本共産党の支持を全国に広げていただき、井上哲士さんをはじめ5名全員を当選させてください。京都選挙区では、憲法を守るただ一人の候補者、倉林明子さんを国会へ送ってください。
(2013年2月26日)
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