活動
投票日を前に、京都市民のみなさんに呼びかけます
2016年2月6日 午後4時 日本共産党京都府委員会委員長 渡辺和俊
京都市民のみなさん。
みなさんのご支援を力に本田久美子候補は奮戦し、全国注視の選挙戦となりました。本田市長実現へ、最後の最後までのお力添えを、よろしくお願いします。
この選挙で私たちは、2つの大きな柱で「本田さんを市長に」と訴えてきました。
一つは、「市民の命、安全を守るのが市長の仕事」、安倍暴走政治の片棒を担ぐ市長ではなく、戦争法廃止、改憲も原発再稼働も許さない女性憲法市長をとの訴えです。
現職陣営は、市長選で安保法制など国政を語るのは「場違い」と言いました。一方、ある若者がこれを批判して、「戦争は国だ市だと避けて通ってくれるわけじゃないですよ」とSNSで発信し、話題になりました。どちらが、政治と社会に対するまじめな態度と言えるでしょうか?
この点で、安保法制に反対する学者の会、ママの会、シールズなどの多くのメンバーが本田さんを推薦し、全国の良識の声が本田陣営に集まったことは、たいへん心強く、嬉しいことでした。本田市政実現の全国的意義が、いっそう浮かびあがりました。
もう一つは、暮らしに冷たい市政を本田さんで転換しようとの訴えです。
現市長は暮らしの現状をかえりみず、「京都は良くなった」と"上から目線"で居直りました。しかし、選挙戦が進み、マスコミも「(保育所の)待機ゼロ実態と隔たり」「どうする敬老乗車証?」「揺れる四条通」「(伊吹衆議院議員が四条通問題での苦情を述べ、市長の)個人演説会場が一瞬凍りついた」など、私たちが訴えてきた争点を取り上げました。現職陣営は追い詰められ、ついに京都市が敬老乗車証の新たな負担について、「9月からの見直しは予定しておりません」と表明せざるを得なくなりました。しかし、改悪方針そのものは撤回していません。「本田さんで、改悪をやめさせよう」「本田さんで、暮らしを大切にする市政に転換しよう」と、あらためて呼びかけます。
宣伝カーで音を出せるのは、夜8時までです。市長選に関して、電話やネットで自由に発信、拡散したり、街頭でビラを配ったりできるのは、夜12時までです。「投票に行こう」の呼びかけ(棄権防止活動)は、明日の投票日もふくめて自由です。特に、若い有権者のみなさんに、「投票に行こう」と心から呼びかけます。
この選挙での本田陣営の一番の強みは、市民自らが手弁当で立ちあがっていることです。最後の最後まで、市民一人ひとりが自らにできることを精一杯やりきって、ご一緒に女性憲法市長を実現し、日本の新しい政治への扉を開きましょう。
「市民の命・安全を守るのが市長の仕事」
選挙戦が告示され5日目。争点がクッキリ浮かびあがりました。
何より、市民の命と安全を守るという一番大事な問題で、どちらが市長にふさわしいか。このことが、ハッキリしました。
安保法制(戦争法)が3月にも施行されます。南スーダンでの「駆けつけ警護」の新たな任務など、戦後初めて自衛隊員が殺し殺される危険が、新たに生じます。西京区桂駐屯地の自衛隊とその家族の皆さんの不安は、はかり知れません。加えて、安倍首相は「憲法改正」の意欲を示しています。狙うのは、自民党の改憲草案が第98条で明記している「緊急事態条項」です。これは、内閣の一存で、国民の権利や地方自治体の権限を制限するもの。まさに独裁政治への道です。今、安倍内閣が沖縄を押さえつけているあの事態が、憲法の名によって進められるということです。さらにまた、明日29日に、関西電力が高浜原発を再稼働しようとしていることも見過ごせません。
本田久美子さんは、戦争法が強行された昨年9月19日に「安倍政権への怒りと市民の声が私の背中を押した」と立候補の決意を表明されました。市長になって、政府に戦争法廃止を迫っていく、改憲も原発再稼働も許さないと訴えて、共感を広げています。
「安保法制に反対する学者の会」の中心メンバーの皆さんから、次々と本田さんへのエールが届いています。「学者の会」の呼びかけ人、学習院大学教授・日本教育学会元会長の佐藤学さん。「戦争も貧困も暴力もない社会を次世代のために実現しましょう。34年間教師として子どもたちの幸福を追求した本田さんに、戦争法廃止と原発再稼働反対を京都市長として推進していただきたいと願っています」。中野晃上智大学教授。「私たちが戦争法に反対するのは、戦争が個人の尊厳あるくらしを壊す最たるものだからです。子育て、医療、経済などに直結する政治を実現するために本田さんを応援します」。思想家・神戸女学院大学名誉教授の内田樹さん。「日本は立憲デモクラシーの崩壊の瀬戸際まで来ています。この事態を本気で恐怖している候補者を僕は応援します」。
一方、今の市長さんはどうでしょう?
市長は、安保法制も憲法も原発も、国の政治の問題だから関係ない、これを市長選挙の争点にするのは「場違い」だと、この選挙戦の中で、何らまともな見識を示していません。これだけで、京都の市長としては失格だと言えますが、実際は、これらの問題すべてで、安倍政権のお先棒を担いでいるのが、今の市長の実態です。
市営地下鉄に、自衛官募集の吊革広告が出されました。今、戦争法が強行され、自衛官の応募も少ないと言われています。就職が決まっていない若者、非正規で苦労している若者が多いとき、こんな広告を認める市長でいいのでしょうか。
また、高浜原発の重大事故が起これば、京都市民に重大な危険が及びます。加えて、京都市の15カ所の元小学校跡地は、重大事故の際の舞鶴市民の避難所に指定されています。ところが、京都市はこの学校跡地を民間に投げ出し、旧清水小学校跡地をホテルかブライダル施設にしようと提案しています。それでは、避難所として活用できません。こんな無責任なことはありません。
今、国民の最大の関心事は、安倍政権が強行した戦争法を廃止するかどうか、安倍政権の暴走を止められるかどうかです。だからこそ、名だたる知識人があげて本田さんに期待しているのです。だからこそ、市民のみなさんから「安倍さんもヒドイが、門川さんもアカン」の声があがるのです。この京都で女性憲法市長が誕生したら、戦争法廃止・安倍政権の暴走ストップの大きなうねりが生まれることは間違いありません。
「なんぼなんでも、こりゃアカン。本田久美子で本気で変えよう」
選挙戦が進み、今の市政は「なんぼなんでも、こりゃアカン」の声があがっています。
保育所には入れない子どもが1199人(昨年10月)もいるのに、「待機児ゼロ」と偽る。「こりゃアカン」でしょ。「観光客が増えた」と自慢しながら、下鴨神社へのマンション建設を認め、二条城の樹木を切って大型駐車場をつくる。世界遺産の保全活動を行っているユネスコの機関からお墨付きをもらったかのようなウソを言って、大切な世界遺産の景観を壊す。「こりゃアカン」。市民には高いゴミ袋を押しつけておいて12億円の黒字。そのうち2.5億円で南部クリーンセンターに意味不明の展望台を建設する。「こりゃアカン」。極めつけは、四条通の片側一車線化です。京都新聞26日付によると、現職市長陣営の演説会会場が「一瞬凍りついた」と言います。他でもない、伊吹文明衆議院議員がこう言った。「私の事務所は四条通にあるが、アンケート一枚来なかった。門川さんは住民と話をしないといけない」。市長本人も、別の演説会で「四条通と看板条例では迷惑をかけている」「タクシー運転手ににらまれている」。市民の声にとどまらず、市長陣営自身が「こりゃアカン」と認めているではありまあせんか。
市長は、市職員を減らして浮いた人件費を福祉に回したと自慢話をしています。しかし、福祉や医療の実態はどうですか?市立の看護短大や身体障害者リハビリテーションセンター附属病院を廃止したのは、今の市長です。伏見と山科にあった休日急病診療所をなくしてしまったのも、今の市長です。おまけに、消防職員も減らそうとしている。
中学校卒業までの医療費無料化は13億円あればできます。介護職員の労働条件改善は15億円でできます。小学校3年生までの35人学級は、2.5億円でできます。公明党などは、「本田候補は財源の裏付けもなく、きれい事を言って無責任」と攻撃しますが、京都市の予算規模は7100億円。市長がその気になって予算編成すれば、すぐにでもできます。ないのはお金ではなく、市長と市長与党のやる気です。本田市長が実現すれば、市民のこれらの切実な願いを予算化されます。公明党もぜひ賛成してもらいたいものです。
国民多数の声を踏みにじり、戦争法を強行した自民党・公明党に牛耳られる市長はもう要らない。本田さんで女性憲法市長を実現しましょう。本田市長実現で、暮らし・福祉・教育への京都市の公的責任を取りもどし、京都らしさを生かすまちづくりを進めましょう。
(2016年1月28日)
本田久美子さんとともに、市民の願いが実現する京都市政を
(1月24日に告示された京都市長選挙に本田久美子さんが立候補しました。出発式での、日本共産党の渡辺和俊京都府委員長の訴えです)
安倍首相は、施政方針演説で「安保法制施行の万全の準備」を表明しました。3月に戦争法が施行されれば、南スーダンでの「駆けつけ警護」などが動き出します。他でもない、桂駐屯地をはじめ、自衛隊員が殺し殺される危険が新たに生まれます。加えて安倍首相は、「憲法改正」の意欲を示しました。自民党改憲草案が第98条で想定する「緊急事態条項」は、内閣権限を強化して国民の権利を制限する、地方自治体に命令できる、つまり独裁政治に道を開くものです。今、沖縄で起こっていることが憲法の名によって強制できるということです。また、1月29日には、高浜原発再稼働が強行されようとしています。
今日の告示日を前に、新聞などで、候補者討論の機会が3回ありました。これらの重大な国政問題で、京都市長に求められる資質とは何か?このことが浮き彫りになりました。
本田久美子さんは、戦争法(安保法制)廃止、憲法改悪も原発再稼働も許さず、京都市民を代表して政府にハッキリモノを言うと、立候補の動機を語りました。一方、現職の市長は、何の見識も示しませんでした。現職陣営は、国の政治を語るのは「場違い」だと言っています。どうして、命と安全を脅かす問題を争点にするのが「場違い」なんですか!こんな市長には、もうお引き取り願おう。本田久美子さんの勝利で、京都初の女性憲法市長実現!戦争法廃止、憲法守れ、原発再稼働反対、このうねりを京都から起こしましょう。
候補者討論会で現市長は、市の職員を大幅に減らして財源をつくったと自慢しました。 確かに市長は、当選直後の2009年、市立の看護短大を廃止しました。こんなことをした市長は全国どこにもいません。身体障害者リハビリセンター附属病院を廃止しました。市営保育所の民間への移管をすすめています。加えて、京都市では、消防職員を福岡市並みに減らすと検討してきました。福岡市の消防職員の数は全国最低レベルです。要するに、減らしてきたのは市民の暮らしや安全に携わる職員です。国の政治は、何でもかんでも「官から民へ」と、暮らしや福祉、教育への公的責任を投げ捨ててきた。国のこの路線の優等生。これが現市長の2期8年だったのではないでしょうか。
「財源」を言うなら、高いゴミ袋を市民に買わせて年間12億円もの黒字。そのうち2.5億円を使って南部クリーンセンターに展望台をつくる。こんなムダをやめればいい。だいたい、これ以上の京都市内高速道路建設を中止に追い込み、税金のムダづかいをやめさせたのは、市民の力です。事故ばかり、役立たずでムダづかいのごみ焼却灰溶融施設を無理やり建設した市長と与党に対して、これをやめさせたのも市民の力でした。
京都市は、一般会計だけでも7千億円を超える予算規模です。市長がその気になって市民本位に予算を編成すれば、財源はつくれます。みなさん。本田久美子さんとともに、市民の願いが実現する京都市政を、ご一緒につくりましょう。日本共産党は、みなさんと力を合わせて最後までたたかいぬく決意です。
京都市長選 24日告示
現職陣営に危機感 党の役割果たし勝利を
渡辺府委員長に聞く
京都市長選挙(24日告示、2月7日投票)をめぐり、選挙戦の様相や、本田久美子候補勝利へ向けた告示目前の活動について、日本共産党の渡辺和俊京都府委員長に聞きました。
Q:選挙戦はどんな様相になっていますか?
渡辺 9日の現職陣営の事務所開きは、「甘くない。昨年末に3党の国会議員が集まって、厳しいことを確認した」(自民・西田昌司参議院議員)、「厳しい選挙だ。共産党は今たいへんな勢いがある」(公明党・竹内譲衆議院議員)と、危機感のオンパレードでした。
「京都の代表が戦争法を強行した自民党・公明党に牛耳られる市長でいいのか?」。この訴えに対して、市民の強い反応があります。
安倍さんヒドイ
門川さんアカン
現職陣営は「国政と市政は別」と言いますが、市民の命と安全を守るのが地方自治体の首長の仕事です。戦争法が強行された9月19日に「安倍政権への怒りと市民の声が私の背中を押した」と立候補の決意を語り、「戦争法廃止を政府に求めて市民の命を守る」と訴える本田久美子さんへの共感が急速に広がっています。戦争法を強行した安倍政権と自公への市民の怒りは根強く、現職陣営は危機感を募らせているのです。
おおさか維新の会につながる京都維新の会が、年末に、市長選への村山祥栄氏(京都党代表)擁立を画策しましたが頓挫しました。「自公と、おおさか維新で参議院の3分の2の議席を占めて改憲を」と呼応し合う安倍首相とおおさか維新の会の危険な〝改憲タッグ〟への市民の強い批判が頓挫の原因です。
今、「安保法制廃止と立憲主義回復を求める市民連合」に象徴される国民のたたかいが盛りあがり、戦争法廃止へ筋の通った野党の共闘を求めています。国政における〝改憲タッグ〟の危険な流れと国民のたたかいの対決が、京都市長選挙に鋭く現れています。
Q:「相乗り」批判も強いですね。
渡辺 問われているのは民主党です。福山哲郎参院議員が連合京都の新春旗開きで「共産党と徹底的に戦う」(『京都』9日付)と述べ、「戦う相手を間違っているのでは?」など、市民の批判が広がりました。それでも民主党は、「『相乗り』は決してデメリットではなく...」と言い訳しています。戦争法廃止へ野党の真剣な共闘が求められています。本田市長実現で、ぜひ民主党には目を覚ましてもらいたい。この思いを強くしています。
Q:門川市政の評判も良くありませんね。
渡辺 事務所開きの場でも、四条通の片側一車線化など「市民の声を聞かない」市政運営に、与党から苦情が出されました。
結局、現市長と「オール与党」は、保育所民営化や府内最悪の子どもの医療費助成など市民への痛み押しつけを重ねてきました。加えて、市と地域住民の財産であり、また、高浜原発の重大事故時の舞鶴市民の避難場所でもある学校跡地を企業のもうけに差し出したり、世界遺産である下鴨神社や二条城の景観破壊など、新たなまちこわしを進めています。
「安倍さんもヒドイが、門川さんもアカン」の声が、与党支持層の中にも根強くあります。
21日の大集会
大きく成功を
Q:告示に向けて、どうたたかいますか?
渡辺 日本共産党の山下芳生書記局長も参加する日の市民大集会(午後7時、府立体育館)に多くの市民に集まっていただき、本田久美子さんの訴えを直接聞いていただきたい。自由に音の出せる期間は、日の告示まであとわずかです。市民の暮らしと京都のよさを守る本田さんの政策をとことん訴え抜いて、勝利を切りひらきたい。
(「しんぶん赤旗」2016年1月16日付けより転載)
「戦争法廃止」に注目
本田候補訴え、現職陣営あわてる
市民生活に痛み 渦巻く不満
本田市長で安倍暴走にノーを
京都市長選 記者座談会(「しんぶん赤旗」2016年1月11日付より転載しています)
京都市長選(24日告示、2月7日投票)は、「憲法市政みらいネット」の本田久美子さん(65)=京都教育センター事務局長、日本共産党推薦=と現職の門川大作氏(65)=自民、公明、民主推薦=の事実上の一騎打ちです。その様相を担当記者で話し合いました。
A 門川市長を推す自民党、公明党や民主党があわてているね。9日の門川陣営の事務所開きでも自民党の西田昌司府連会長が「そんなに甘い選挙ではない。非常に厳しい」と引き締めた。公明党の竹内譲府本部代表は、共産党が宮城県議選で議席を倍増させたことにもふれ「油断すると負けてしまう。共産党は勢いがある」「門川が危ない」と危機感をあらわにした。
B 事務所開きに自民、公明、民主の京都選出国会議員を並ばせ、自民党の谷垣禎一幹事長が「共産党も活気づいている」と総力戦を呼びかけたのも異例だ。
C 門川陣営の危機感には理由がある。ひとつは、戦争法だ。強行した安倍自民・公明政権への怒りと「京都から戦争法廃止を発信したい」という本田さんへの期待の広がりを彼らも敏感に感じている。
A 市長選が戦争法・改憲をめぐるふたつの潮流の激しいぶつかりあいとなっているというのに、民主党は引き続き自民・公明市政への相乗りを選択した。民主党の泉健太府連会長は相乗り批判に「相乗りは利点」(9日の事務所開き)と言ってみたものの大義がない。あるのは各紙が書いているように「非共産」だけだ。
C 戦争法廃止の願いを託せるのは幅広い市民と共産党が推す本田さんしかいない。本田さんが出馬表明したのは戦争法が強行された昨年9月19日。「憲法を踏みにじる安倍政権への怒り、市民の声が私の背中を押した」という。
B 推薦人には、それまで本田さんと面識がなかった同志社大学教授の浜矩子さん、岡野八代さんも名を連ねた。安保関連法に反対するママの会@京都の西郷南海子さんや原発ゼロの運動や戦争法反対に取り組むフリーライターの守田敏也さんなど幅広い人たちが勝手連的に本田さんを応援しビラにも登場している。
A 岡野さんに話を聞いたら「安倍政権を倒すためなら、なんでもやりたい。その一心。京都から政治を動かす風穴をあけたい」と思いが熱い。
C 本田さんは「市長になったら最初の仕事は、『全国平和首長懇談会』をよびかけること」と明言している。日本共産党京都府委員会の渡辺和俊委員長が7日の「憲法市政みらいネット」の新春のつどいで「こんな市長が京都に誕生したら、間違いなく全国に衝撃が走ります。『戦争法廃止』へ大きなうねりが起こります」とあいさつしたが、まさにその通りだ。
●改憲勢力の矛盾
A 「第3極で京都の政治を変える」と豪語していた地域政党の「京都党」と「京都維新の会」は、結局、独自候補擁立を断念した。その背景にも、戦争法・改憲問題がある。
B 「京都維新の会」から出馬要請された「京都党」代表の村山祥栄市議は、後援会の猛反対にあい、出馬を見送った。「共産党推薦の候補を利するだけだ」というのが理由だったと報じられている。それだけ本田陣営の勢いを軽視できなかったということだ。
C 「京都維新の会」も矛盾が露呈した。市長選で参院京都選挙区の足場を築きたかったものの、〝親元〟の国政政党「おおさか維新の会」は、自民、公明といっしょに改憲の発議に必要な3分の2の勢力に入ると宣言。自公市政への対抗馬擁立を断念した。
●与党危機感抱く
A 門川与党が危機感を抱く理由は、もうひとつある。門川市長の不人気だ。
C 自民党、公明党や民主党もなかなか門川氏の推薦を決めなかったね。一時期は、別の候補の擁立をほのめかしたこともあった。結局、3党とも推薦を決めたが、告示目前だというのに西田自民党府連会長が「(門川市長に)言うべき点はたくさんあり、直してもらう」(「京都」5日付)と公言するのは異例なことだ。
A 異例というか、異常というか。そんなに不満があるなら、推薦しなければいい。市民をばかにしているよね。
B 自民党支持層にも、それだけ不満が強いということだ。よく聞くのは「市民の声を聞かない」「トップダウンで強引だ」ということ。たとえば繁華街の四条通りの片側1車線化だ。
C 大変なことになっているね。渋滞でバスもなかなか進まない。お店の品物の配送にも苦労している。タクシーの運転手さんも、「あの通りは避けるようにしている」と嘆いていた。
A 門川市長も、よほど気になるのか、9日の事務所開きでわざわざ四条通りのことにふれた。ただ、あくまで「環境政策をどこまで理解していただくか」という立場だ。
B 学校統廃合とその跡地問題も批判が強い。京都市政はこれまで市内中心部にある小・中学校のうち68校を統廃合の対象にして17校に統合した。門川市長は「いかに財政効果が大きいか」と誇るだけじゃない。甲子園球場の3倍近い学校跡地を、ホテルなど民間のもうけに差し出そうとしている。町衆が財力を出しあってつくった番組小学校の歴史も役割も眼中にない。
A 世界遺産の景観問題もひどいね。下鴨神社の境内に高級マンションを建設、二条城北側に大規模駐車場...。京都駅周辺の再開発・高さ規制緩和。このままでは「京都が、京都でなくなる」という本田さんの訴えが、共感を呼んでいる。
C 暮らしへの不満も渦巻いている。観光客は多いのに、京都の経済・雇用指標は最悪水準だ。大手資本に吸い上げられ、お金が地元に回っていない。追い打ちをかけるように、門川市政は国民健康保険料、保育料などを値上げし、敬老乗車証の改悪に執念をみせ、市営保育所を次々と民間移管するなど市民に痛みを押し付けている。
A 平和で、歴史ある景観と文化が守られ、庶民が元気になってこそ、京都の観光や伝統産業・中小企業も発展する。立場の違いを超えて「平和憲法を生かし、誰もが安心して暮らせる京都市へ、ごいっしょに力をあわせましょう」と呼びかける本田さんとともに、京都を変えるチャンスだ。常に全国の政治を先取りしてきた京都で憲法市長を誕生させれば、そのインパクトが「戦争法廃止の国民連合政府」実現への大きな追い風になることは間違いない。
自民・公明牛耳る現職にノー
市民と共同、「戦争法廃止」発信
目前に迫った京都市長選をどうたたかうか、対決構図・争点について、日本共産党京都府委員会の渡辺和俊委員長に聞きました。
渡辺和俊日本共産党京都府委員会委員長に聞く
――いよいよ京都市長選挙告示(24日)まで14日です。
自民党・公明党による戦争法強行後、最初の大きな選挙であり、結果は国政にも重大な影響を及ぼします。戦争法のもと、アメリカから「テロ対策」の空爆に協力しろと言われて、安倍政権は断れるでしょうか? 協力すれば、日本もテロの対象になりかねません。
自治体の長の役割は、住民の命と安全を守ることです。命と安全を踏みつぶすのが、戦争であり、テロです。
戦争法についてまともな見識を示せず、これを強行した自民党に牛耳られているのが、今の市長です。
小学校の先生として、また、全国の教職員組合のリーダーとして「教え子を再び戦場に送るな」と働き、活動し、自らの勝利で「戦争法廃止」を政府に強く求め、市長の最初の仕事として「全国平和首長懇談会」を呼びかける本田久美子さんを必ず市長に押し上げたい。
――村山祥栄氏(京都党・京都市議)の出馬騒動など、与党陣営は混乱していますね。
一連の事態は、長年続いた「オール与党」市政の衰退を物語っています。
現市長推薦にあたって、「主導権を握る」自民党(京都新聞)からも注文が相次ぎ、四条通の渋滞悪化などで「支持者に反発もあり、一部に慎重論」(同)もありました。そんな中、昨年末に京都維新と京都党で村山氏をかつぐ動きがありましたが、結局断念しました。両党とも市長提案に"何でも賛成"の与党です。結局この騒動は「市民の暮らしをどうするのか」とは無縁で、市民不在の党利党略にほかなりません。
そもそも、「オール与党」体制のもとで市長が進めてきたことは、市営保育所の民営化、子どもの医療費は府内最低水準、敬老乗車証改悪を狙うなど、市民の暮らしに痛みを押しつけ、教育や福祉への公的責任を投げ捨てることばかりでした。加えて、学校跡地を企業のもうけのために差し出す、世界遺産の二条城や下鴨神社の景観破壊など、京都のよさを壊す大失政をおし進めようとしています。
こんな「オール与党」政治と決別し、京都の暮らしと経済、歴史と景観を大切にする市政へ、本田久美子さんとともに転換する時です。
――国政も京都市政も「市民革命」ですね。
幸い、浜矩子・岡野八代両同志社大学大学院教授や、原発ゼロの運動などにとりくむフリーライターの守田敏也さん、「安保関連法に反対するママの会」の西郷南海子さんなど幅広い方々が"本田応援団"を買って出ています。国政では、戦争法廃止をめざす「市民連合」も誕生しました。
今、国政でも京都市政でも、市民が立ちあがり、野党がこれに応える責任があります。この点で、民主党が、「情けない話」(読売新聞)と嘆きつつ、自民党主導の現市長推薦を早々と決め、破たんずみの「オール与党」体制にしがみついていることは、重大かつ残念なことです。
短期決戦です。告示3日前に、今市長選最大のイベント、「本田で変える! 市政転換1・21市民大集会」が府立体育館(京都市北区)で開かれます。これに向けて、宣伝でも、支持拡大でもやるべきことをやりきって、勝利の流れをつくります。
(「京都民報」2016年1月10日付より転載)