橋下徹が率いる「大阪維新の会」の問題点について、日本共産党の清水忠史比例代表候補の演説(大要)を紹介します。(4月15日、京都市左京区錦林小学校での演説会より)
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二大政党の行き詰まりとあいまって、その受け皿作りが新しく進められてようとしていることに、ふれないわけにはまいりません。「民主党と自民党、二大政党では政治は変わらなかった」、そうなると、日本共産党へ大きな支持が押し寄せてしまうと困るという勢力が、必ず新たな受け皿作りをおこなうということが、歴史的にもあきらかになっています。
たとえば、「新自由クラブ」がそうでしたし、「日本新党」というのも、そういう流れの中で生まれてきました。最近では「みんなの党」。そして、「大阪維新の会」と言いまして、橋下徹大阪市長を代表とする勢力が次の総選挙、すべての小選挙区で候補者を擁立したい、政権を担いたいと、鼻息を荒くしております。
強権体制の目的は古い自民党政治の復活
カラスの鳴かない日はありましても、橋下大阪市長がテレビ、新聞に出ない日は一日もありません。とりわけ大阪はそういう傾向が強いのです。何か変えてくれるんじゃないか、何か、暮らしをよくしてくれるんじゃないかという漠然とした「期待」を集めているのが「大阪維新の会」ですが、新しい看板を掛けておりましても、中に入って並んでいる商品は古いものばっかりなんですね。
たとえば維新八策といいまして、これも船中八策のもじりですね。いいかげん坂本龍馬を選挙のダシにするのはやめたらいいと思うんですけれど、国政選挙をめざす維新の会の政策、なんと書いてあったか、TPP推進、日米軍事同盟の強化、消費税の増税、憲法改悪です。まさしく古い古い自民党政治そのものだと言わなければなりません。ただ、橋下維新の会が、これまでの受け皿勢力と根本的に違う部分は、このような古い政治を独裁的手法によって進めているという点にあらわれているんです。
この間も、卒業式入学式が行われておりますけども、学校の先生、職員に、必ず「君が代」を歌うときに起立をするようにという条例が公布されたのが大阪府議会、大阪市議会でございます。起立するのは当たり前、なんと口元までチェックして、歌っているかどうかというのを確認します。4月2日に行われました、新入職員の発令式では、「君が代」を歌うときに「体の前で手を組むな。キオツケ」、こういう侵略戦争を彷彿とさせるような、軍国主義教育のような、強権的手法を押しつけているのが橋下「維新の会」なんですね。
子どもたちに学力の競争のみを押しつけ、それで判断し、学区制をとっぱらい、それぞれの学力テストの平均点数をインターネットで公表し、あそこの学校は上位何校、あそこの学校は下から何番目と、子どもたちを序列化、レッテル貼りをすることに、何の意味があるのでしょうか。そして、市民をいじめたらいじめるほど成績が上がる職員を作ろうと、職員基本条例まで大阪府議会では強行をしております。
このような強権体制を作る目的は何か。難しいことではありません。夢をまたもう一度と、使い古しの大型開発公共事業に大阪市民のお金、大阪府民のお金、全国のお金を巻き上げて、推進しようとするものだといえるでしょう。新大阪からなんばまで、あるいは天王寺まで、ノンストップの地下鉄を走らせれば、関西空港まで行く時間が短くなる、これをやるべきだというんです。2000億、3000億、4000億かかる地下鉄工事、何分短縮できるのか、たった5分です。5分早起きすればすむ話だと私は思うんですが、あるいは世界中からばくち打ちを集めて、カジノをやるんだ、カジノをやって大阪を賑わいある町にするんだ。こういうことを平然という人物なんですね。