JCP京都

2006年07月18日掲載

「三宅八幡宮」…かわいい鳩形のしんこ餅

 地元では「八幡さん」と呼び親しまれている三宅八幡宮。この八幡さん、なぜかいたるところで鳩が目につきます。

 まず、参拝者を迎えてくれるのは、鳥居の前の狛犬ならぬ“狛鳩”。何とも愛らしい恰好です。拝殿の幕にも向き合った鳩の絵が描かれています。三宅八幡宮の信仰と鳩との関わりがこれほど深いものになったのはいつ頃か、その理由は何かなどは、残念ながら今でもハッキリしていないとのこと。

 ただ、ここに奉納されている絵馬のかなりの数に鳩が描かれています。古いものでは1868(慶応4)年4月と記された絵馬に白い鳩が三羽。また、1883(明治16)年11月に奉納された絵馬には「鳩百羽放生□」(最後の文字は判読不可)とあるとのこと。

 いずれにしても、三宅八幡宮は昔から子ども夜泣き、疳(かん)の虫にも御利益があると言い伝えられ、子どもの健やかな成長を見守ってきた神の象徴として、鳩が“八幡神”となったとの説が残されています。

 そして、鳥居前の三宅八幡茶屋の名物は、もちろん、かわいらしい鳩の形をしたしんこ餅。白、ニッキ、抹茶の三種で、昔はここで菓子職人さんが作っていましたが、今は聖護院八ツ橋で作ってもらっています。むっちりとした飽きの来ない素朴な味は、お菓子が好きでない人にも食べやすいのでは。

 三宅八幡宮へは叡山電鉄鞍馬線「八幡」駅下車、徒歩二分。または叡山電鉄八幡行き「三宅八幡」駅下車、徒歩五分。(京都市左京区上高野三宅町)