JCP京都

2005年06月22日掲載

京町屋

「京町家」…「西陣の町家・古武」

「京町家」…皆さんはこの言葉にどんな思いを持つのでしょうか? ——「一度は行ってみたい所」「夏でも涼しい家」「心が癒される空間」などなど、多くの人が、「ほっとする場所」「ほっとする空間」というイメージをお持ちにちがいありません。

 今回は京都市上京区にある、「西陣の町家・古武」を訪ねてみました。古武さんは昔からの友人、今でも同町家で催される様々なイベントの中で、時どきお付き合いさせていただいています。ひさびさの再会で話がはずみました。

 さっそく「京町家」の一つとして、「西陣の町家・古武」を案内していただきました。「京町家の作りはだいたいこんな形なんです」…古武さんの説明を受けながらの「町家」訪問のひととき。あらためてこころ癒されるような「ほっと」した空間の中で、時間の経過を忘れてしまいました。

※画像をクリックすると別ウィンドウで拡大表示します。

  • クリックすると拡大表示「西陣の町家・古武」の表玄関です。ここから案内してもらいました。
  • クリックすると拡大表示玄関を入ると、石材を巧みに配した店庭があります。これまでの訪問の時には気付きませんでしたが、石の専門家の方の足はここで必ず止まるそうです。
  • クリックすると拡大表示店庭を通り抜けると座敷への玄関。右手にも勝手口のような入り口があり、訪問客によって2ヶ所を使い分けます。
  • クリックすると拡大表示玄関から座敷に入り、表の座敷を通りぬけます。ここは通常の接客間でもあり、西陣の飾り物などが置かれていました。
  • クリックすると拡大表示奥の座敷に入ると、縁に面したところに座敷庭があります。午後の日差しが差し込んで、なんともいえない雰囲気が漂っています。
  • クリックすると拡大表示座敷庭にはかならず石燈篭とともに「手水鉢」(水槽)があります。これは「町家」独特のもので、京町家が連なってできる「まち」の中で、今でいうグリーン地帯(座敷庭)と、防火用水(手水鉢)の役割を果たしているそうです。
  • クリックすると拡大表示渡り廊下から離れ座敷へ…そこは見事な空間でした。市松模様の襖で統一された離れ座敷は、映画やテレビで観る世界。“金さん”がもろ肌脱いで登場してきそうな錯覚を覚えてしまいました。
  • クリックすると拡大表示座敷の欄干や階段の手すりなど、いたるところに透かし彫りなどの見事な職人の技が生かされています。その一つ一つが貴重な歴史です。
  • クリックすると拡大表示ひと回りしてふたたび店庭を通り表へ。出口に近づくと、表から子どもたちの声が聞こえてくる…これも「京町家」の何ともいえない「空間」でした。

 古武さんは町家の歴史について、これまでもいろんな機会に講演やお話をしているそうです。「今度ホームページに町家について書いてくれませんか」というと、「いいですよ」とうれしい返事。近いうちに皆さんに再会できるかもしれません。(和)