JCP京都

2005年10月04日掲載

梨木神社…名水と萩

 京都御苑の東側。寺町通りに面して立つ神社…梨木神社。夏でも涼しく、ほっとする空間。御苑に寄った時はぜひ足を伸ばして見てください。

 入り口の鳥居付近(写真①)からみると、御苑と神社をはさんで散策小路(写真②)が北に細長くのびています。左手には御苑の「清和院御門」があり(写真③)、御苑内をのぞむ事もできます。

 境内を30メートルほど入った右手に、湯川秀樹氏の「歌碑」(写真④)を見つけました。神社の萩を詠った歌碑ですが、こんなところに湯川氏の歌碑があるとは、新しい発見でした。ここでは毎年9月の第3日曜日に「萩まつり」が開催され、細長く延びた参道一帯に萩が咲き乱れ、参拝者の句札がいっぱい付けられています(写真⑤)。

 境内のまん中ほどに、「染井の水」が湧き出ています。この井戸水は、醒ヶ井、県井とともに京都三名水の一つとしてよく知られおり、その中でも唯一現存しているものです。今でも毎日ペットボトルやポリ容器を手に水を汲みに人が後を立ちません。この日もたくさんの人が訪れていました(写真⑥)。

 井戸のそばに「愛の木」(写真⑦)という大木があります。この木をなでなでしながら願い事をすると、願い事が叶うという言い伝えがあるそうですが、余り知られていないようで、水汲みに来ている人もその木には見向きもしません。でも一度なでなでしながら願い事をして見ませんか。

 さらに奥に行くと「本殿」(写真⑧)と「拝殿」(写真⑨)があります。こじんまりとした神社で、普段は参拝客も少なく、その分静かな雰囲気を味わうことが出来ました。この神社は、明治維新の功労者として知られている三条実万(さねつむ)、実美(さねとみ)父子を祀った神社です。(和)