JCP京都

2005年11月22日掲載

「北山杉の里」…自然と文化

 紅葉をもとめて高雄に向かったが、駐車場はいっぱい。仕方なくそのまま直進することになった。お腹も空いてきた…「どこか食事でも…」と考えながら走り続けた。高雄から周山街道を約15分ほど走ったあたりで、お食事処「北山杉の里」の看板が目についたので飛び込んだ。

 静かだ…何となく落ちつく。北山杉を背景にした紅葉も見事だ。高雄の賑わいに比べてほっとする空間がそこにあった。「食事が終わったら庭園でも散歩してみてください。川端康成さんの文学碑もありますよ」という案内に、休憩所の裏にある「ます釣り池」を素通りして、そのまま庭園へとぶらり。

 そこは紅葉を散りばめた自然と文化の空間だった。川端康成の文学碑は想像を越えたものだった。湯川秀樹氏など著名な学者や文豪らが設立発起人に名前を連ねている。碑には名作「古都」の一文が記されており、近くには「古都・再会」の碑もあった。庭園には多くの花もあり、一輪の「山茶花」を見つけた。

 帰りに川端康成とのかかわりを訪ねてみた。「ここの先代の社長のお知り合いでよく来られてたんですよ」という話だった。「春はまた桜がきれいですよ」…たしかに桜の木が多い。桜に抱かれた庭園を想像して、春も一度寄ってみたい思いにかられた。(和)