2006年05月11日掲載
「古知谷阿弥陀寺」…静寂の中にミイラが眠っている
左京区・大原のその奥に古知平というところがある。その地にあるのが古知谷阿弥陀寺である。もともと静かな里ではあるが、旧街道から急坂となっている参道を約300メートル近く入ると全くの静寂に包まれる。1人では不気味なくらいだ。
中国風の山門から本堂まで続く参道には、約300本の楓があり、紅葉の名所で知られている。高さ70メートルの楓は天然記念物でもある。楓を横に見て通り過ぎ、石段をまっすぐに登ると本堂に入る。
本堂には上人自らの髪の毛を植えた植髪の像、本堂裏の岩窟には上人のミイラが納められ、ミイラ化して祀られているということを最近知った。何度か足を踏み入れたところだが、いっそう神秘的な思いを深めている。
通称「古知寺」には懐かしい思い出がある。30数年前、民青同盟の合宿でよく使った場所だ。間違いなく当時宿泊した宿坊を見つけたが、今はもう閉鎖されていて少しさびしい思いが頭をよぎった。(和)