JCP京都

2006年06月27日掲載

岩倉の「目無地蔵」

 石仏の表面が風化し、目や鼻、口がなくなっているように見えるところから「目無地蔵」の名前が生まれた。「目無地蔵」と呼ばれるお地蔵さんは京都にもたくさんあるが、その代表格のひとつがこの岩倉のお地蔵さんである。

 このお地蔵さんは、岩倉実相院門前より約100メートル東、岩倉川にかかる目無橋のほとりにある。近所の方たちの手によって覆屋を設け、雨露をしのぎながら丁寧に保存されていた。

 単なるお地蔵さんのようだが、よく見ると側面にも地蔵さんが彫られている。こういう地蔵を一石三尊仏という。このうように一石で三面石仏としている地蔵さんは、比叡山麓に近い岩倉地方に数多くあるらしい。(司)