JCP京都

2006年10月18日掲載

嵯峨の「油掛地蔵」

 地蔵に油を注いで祈願をすれば願いが叶うというのが油掛地蔵である。市内でも数ヶ所にあって古くから信仰を得ている。石仏に油をかける理由は明らかではないが、古くからの信仰であり、初めは油職人によって油を注いでいたと伝えられている。

道路の分岐点 石の道標 辻堂と地蔵さん

 その代表的なひとつである嵯峨の油掛地蔵。その地蔵は天龍寺に近い嵯峨天龍寺油掛町、丸太町通より一筋南の通りの分岐点にある小さな辻堂に安置されている。堂前にはガードレールに隠れて、「右愛宕、左虚空蔵」と記された石の道標があり、その昔交通の要所であったことが伺われる。

 辻堂の休憩所に2人のお年寄りがいたので話を聞いてみた。「お兄ちゃん、この地蔵さんは有名なんじゃよ」と年配のご婦人は自慢そう。そばでおじいちゃんがひとこと…「ここはな、お年寄りのたまり場ですわ」。どちらの意見にもナットク。(司)