JCP京都

2007年01月09日掲載

伏見の「六地蔵」

 六地蔵地区は伏見桃山の南部に位置する都市近郊の住宅地にある。六地蔵の名の起こりとなった地蔵尊は、同地の大善寺の境内地蔵堂に安置されている。有名な六地蔵めぐりの出発点とされるこの大善寺の地蔵尊は伏見地蔵と呼ばれている。像はまれにみる古作で、高さ1.61メートル、一木造りで、重要文化財に指定されている。

 「六地蔵」とは、京都の出入口となる街道筋6ヶ所に安置されている地蔵の総称である。それは伏見地蔵(奈良街道)をふりだしに時計回りで、鳥羽地蔵(鳥羽街道・浄禅寺)、桂地蔵(山陰街道・地蔵寺)、常盤地蔵(周山街道・源光寺)、鞍馬口地蔵(鞍馬口街道・上善寺)、山科地蔵(東海道・徳林庵)の6つである。

 この6つの地蔵尊を巡拝する風習を「六地蔵めぐり」といい、毎年8月22日~23日におこなわれている。各寺で「お幡(はた)」と呼ばれるお札をいただき、束ねて護符として家の入り口につるすのが慣わしである。