2007年04月27日掲載
上京区の千本寺の内あたり、千本通りに面したところにあるのが石像寺(しゃくぞうじ)、通称「釘抜地蔵」と呼ばれている寺です。この寺には、門前にも、境内に入った堂前にも、大きな鉄製の釘抜きがあることで有名です。
地蔵堂に安置されている地蔵菩薩立像は、高さ1.1メートルの石造で、弘法大使が唐から持ち帰った石に、みずから刻んだものと伝えられています。この石像はもろもろの苦しみを抜きとるということから「苦抜地蔵」と呼ばれていましたが、それがなまって「釘抜地蔵」とよばれるようになったといわれています。
苦悩解消に霊験があるといわれるこの寺では、祈願成就のお礼に釘と釘抜きを小絵馬に奉納する習慣が定着しました。今も地蔵堂の周囲には、八寸釘と釘抜きをそろえた小絵馬が、立錐の余地もないほど奉納されています。(司)