08年7月14日(月)掲載
祇園白川の「なすあり地蔵」
「有済」ってどう読みますか?祇園白川の花見小路にかかる橋は「有済(ゆうさい)橋」…でもそのそばにある地蔵は「有済(なすあり)地蔵」と呼ばれている。少し興味を持って現地を訪ねてみると、なるほど…そこにたてられている看板で納得した。
「なすあり」の由来は2つある。白川沿いの石畳の道を「なすありの径」と命名したこと。もう一つは、1954年の花見小路通りの水道管工事のとき、白川の川底から掘り出されたのがこの地蔵。それまで何百年もの間、暗闇の中でジッと耐えしのんでいた、忍耐の地蔵だからです。
「なすあり」とは地元の小学校「有済」に因んだ言葉。校歌に「たえてしのべばなすあり」とうたわれ、「どんなつらいときでも、たえしのび努力すれば必ずむくわれる」という意味です。そこから忍耐の地蔵に「なすあり」と命名されたと言われている。
近所の喫茶点でご年配の店主に聞くと、わけあって祇園祭の「四若神輿会」の方々がこの地蔵さんを大切にしてくれているという。祇園祭の還幸祭で「四若会」の神輿が狭い花見小路を北上し、有済橋を通ることの意味が何となくわかったような気がした。(司)