08年4月15日(火)掲載
10、長建寺の「閼伽水」
伏見の長建寺には「閼伽水」(あかすい)とよばれる名水がある。「閼伽水」とは、昔インドで水の神として尊崇されていた弁財天に供える水のことであり、ここでは本尊の弁財天に供えられている。歴史ある水受けに流れ落ちる水を用いて、家内安全を祈願する参拝客は多い。
長建寺はあの「十石舟」で有名な濠川(宇治川派流)のたもと、「十石舟」の乗船場の前にある。聞くところによると、長建寺のご住職はじめ伏見の15寺社の代表らは、昭和48年に「洛南保勝会」を結成し、地域活性化の一貫として、史跡の看板整備など各寺社の手入れに力を入れたという。「十石舟」もその流れの中で復活されたらしい。
2月の京都市長選挙直後に訪ねてみた。2月の濠川は水も少なく、十石舟も陸揚げ状態で驚いたが、シーズンに水を入れて運行しているようだ。今の住職さんは素性もわからぬ私に、「今の京都市はなっとらん。同和に数千万円出しながら、地域の観光には看板一枚も出してくれへんのや」と大変なお怒り…この声が今も耳から離れない。(和)