2014年6月アーカイブ
東京都内で開かれた「若者憲法集会」に参加してきました。京都からは34人が参加、全国から1056人の青年が集まりました。
午前中から8つの分科会が取り組まれました。ビラまき弾圧事件やえん罪から「表現の自由」を考える企画、靖国神社フィールドワークなど、どれも興味深かったのですが、「アジアの若者と考える平和主義と安全保障」の分科会へ行きました。
日本はアジアでたくさんの戦争を起こしてきたのであり、過去の侵略戦争の反省から憲法9条が生まれたこと。集団的自衛権はアメリカなどの大国が武力行使できるようにつくられたものであり、国連憲章でも例外として規定されていること。シンポジストが指摘したことの一つ一つが、集団的自衛権行使容認へと突き進む危険性をあらためて訴えるものでした。
分科会のテーマである韓国や中国との関係については、対話の重要性が討論を通じて確認できたことも印象的でした。いま日本ではヘイトスピーチが社会問題となっています。異なる文化をもった人たちが身近にいることに不安を感じ、排除しようとする動きが目につきます。そして、外交問題がこの不安を増幅させる役割を果たしています。だからこそ、中国や韓国と共有できる価値観を見つけていく対話が重要です。
全体会ではイラク支援のボランティアに取り組んできた高遠菜穗子さんと、紙芝居などでやさしく憲法を語る運動をおこなっている黒澤いつきさんを招いてシンポジウムがおこなわれました。高遠さんは、イラクでは憎しみから過激派が生まれていることを述べ、「日本が殺す側にならずに済んだのは憲法9条があったから」と憲法の大切さを語りました。また、「イラクの人はどこの国の武器で殺されたかを気にしている」と、日本が武器輸出を解禁した危険性を指摘しました。
集会アピールで「いま各地で『9条を壊すな』『憲法まもれ』とデモや抗議行動がひろがっています。」と指摘されたように、京都でも様々な取り組みがおこなわれています。憲法を守る声をさらに大きくしていきましょう。安倍政権の暴走をストップさせ、平和に暮らせる日本を実現しましょう。
第6回原発ゼロ・「京都アピール」講演会が5月17日に京都大学で行われたので参加してきました。230人の方が参加されたそうで、関心の高さを感じました。
安斎育郎さんと大島堅一さんが講演をされました。放射能の影響で鼻血が頻発しているという話が漫画雑誌に掲載され、問題になっています。安斎さんは「『医学的影響』だけでなく『心理的影響』も大きい」と説明。また、「根拠なく被害を過大評価するのも被災者のストレスを増大させる」として「事態を侮らず、過度に怖がらず、理性的に恐れる」ことを強調されました。そして、原発、TPP、基地などの問題でアメリカの戦略が根底にあることを示されました。
大島さんは、安倍内閣のエネルギー基本計画で示された原子力の位置づけと現実のギャップを指摘されました。原発は事故後に長期にわたって停止しており、「安定供給性」はないこと。運転コストは事故によるものなどを無視しており、低廉とは言えないことを示しました。被害者への損害賠償や廃炉費用が消費者や国民の負担となっていることを指摘し、東電は破綻処理をするのが適当だと話されました。国会事故調報告で「規制する方が規制される方の虜」になっていたと書かれたように、規制機関としての役割を果たさず事故を起こした責任が国にはあると批判されました。
時宜にかなった話題を鋭く批判した講演会で、原発はなくしていかなければならないという思いを強くしました。
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