Cママです。連載3回目は「フランス人の働き方、生き方の話」です。
フランスの人たちは、バカンスのために働いて、バカンスのために生きている
と薗部さん。
フランスでは、
毎年8月に、約1ヶ月の"バカンス"と呼ばれる休暇をとるのが当たり前だそう。
みんな避暑地に出かけてしまい、薗部さんの住んでいたパリからは人がいなく
なり、お店はほとんど閉まって、ゴーストタウンのようになるらしい。
(8月にパリに旅行にいっちゃダメですよ(笑))
しかもそれは、どんな職業の人も、ってことで、
パリに住みはじめてほどなくして3人目を妊娠された
薗部さんが、夏の始まる6月末に産婦人科を受診すると、
主治医から「僕はこれからバカンスなんで、
次は9月に受診を」って言われて、
「えっ!!あなたもですか!?」ってびっくりしたとか。 (もちろん緊急時は、8月でも別のお医者さんに看てもらえるようですが)
フランスの人たちの価値観はとっても単純明快で、
「働こうが、子どもが生まれようが、とにかく自分の人生を楽しむ!!」
ということらしい。そしてとても家族の時間を大事にするとのこと。
日本だったら、「パパの仕事」「子どもの学校」は"第一義"におかれ不可侵の
ものとなるが、フランスでは、まず家族のプランが先にあり、それに合わせ、
パパの仕事も、子どもたちの学校も、適度に休むし、それを「問題だ!!」と
する社会の風潮ももちろんない。それが"当たり前"なのだそうだ。
そして、フランスでは現在、「専業主婦」という言われる人は
ほとんどいず、女性であっても何かしらの職についているとのこと。
「共働き」がフランス社会の大半の家族の形態となれば、
育児のために、夕方にはパパかママである労働者は帰宅しないといけないし、その場合、
「では女性労働者だけ帰れるようにしましょう!!」ってな
ことには、男女平等の視点から言ってもならないわけで、
そこで、男性も女性も定時になれば仕事を終えて、
後は「家族の時間」となる、
というのが現在のフランス社会なのではないかと思うのです。
そうなれば、男性だって"分担"の粋を超えて、パパとして、家族の一員として、
家庭での役割を自然と担うことになるでしょう。
(もちろん、労働時間が日本よりはるかに短いことは、「家族の時間」という
視点だけでなく、他の様々な社会的な要因や、フランスやヨーロッパの
労働運動の歴史などが背景にあると思うのですが)
そしてフランス社会では、男性はもちろん、女性にとっても、就職、出産、育児
ということなどが、自分の人生を自分らしく歩んでいくうえで、障害になること
は日本よりはるかに少ないそうです。
それに関わって「子育て支援」についても、こんな面白い話が。
「かつて、今の日本と同じような深刻な少子化に陥ったフランスは、
子育て支援を本気でやってV字回復させている。
その中身は、『子どもが生まれたって楽しく生きたい』と強く願う
フランス人だからこそで、子どもを支援するのではなく、
子どもを育てる親の生き方を支援するものになっている」と薗部さん。
そしてさらに、
家族で移動する時だけでなく、子どもが1人でお出かけ
する時や、親が1人で出かける時も使える。
他にも、子どもが3人いれば、家族誰でもが使えるおけいこ事のクーポン券を
自治体からもらえるとか、とにかく多種多様な支援があって、
結局よく考えたら、
子ども2人まで産んだら、あともう1人産んだ方が、
何だって安く済むし、得になるようになっていて、
そうやって子どもを3人産む選択をした夫婦が増える
中で、出生率を上げてきた」と。
ここまで話を聞いてしまうと、日本との違いに愕然としてしまいますが、
日本人から見れば、一見"わがまま"とも"自分勝手"ともみえるフランス人の
価値観は、結果的には、誰もが願う『当たり前の人間らしい働き方や生き方』を
保障する社会や政治を生み出す原動力になってきたんだなぁ~と、
フランスの人たちに尊敬の念まで生まれてきた私でした。(笑)
とはいえ、ここは日本。
きっと、このまんまを日本の職場や社会で言っても
受け入れられないだろうとも思う。 日本には
日本にあった主張の仕方ってもんがあるんだろうなと。
今すぐそれは思いつかないけれど・・・
めざす方向みたいなものは見えた気がして、
とても晴れやかな気持ちになった私でした。
次回は、「夫婦の関係」についてのお話をご紹介したいと思います。(C)
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