ベアテ・シロタ・ゴードンさんが亡くなった。
GHQの一員として22歳の若さで、日本国憲法の起草委員会の人権担当になって、「日本女性に最高の幸せを贈りたい」と、憲法24条・両性の平等を書き込んだ女性。
私は『真珠の首飾り』という映画でそのことをはじめて知って、こんな若い女性が、今の私たちの幸せの権利をつくってくれたのだとびっくりした。
印象に残っているのは、彼女が両性の平等、妊婦や非嫡出子の権利など、現代も必ずしも実現できていない先進的な草案を作ったのに、GHQでの論議の中でも、多くの案が削られ、さらに当時の日本政府からも「日本にはなじまない」とさんざん抵抗されたこと。
22歳の彼女がその中で、がんばり通して24条を残してくれたこと。
また9条を「戦争が生んだ真珠」と言っていたこと。
その後、忘れるともなく忘れていたけれど、1月3日の新聞で、昨年12月30日に亡くなったという記事を見て、あのときの感動を鮮明に思い出した。
最期の言葉は「日本国憲法に盛り込まれた平和条項と、女性の権利を守ってほしい」だったという。
ベアテさんのまさに真珠のような思いを、日本の女性たちはしっかり受け取り、受け継がなくてはならないと、あらためて深く思っている。
――A――
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