福知山市長選(6月14日投開票)/奥井正美氏は及ばず 市政転換の新しい運動と共同の出発に
6月14日投開票された京都府福知山市長選は、「市民が主人公の民主市政をつくる会」の奥井正美氏(66)=新人、無所属、日本共産党推薦=は、3076票(得票率9.91%)を獲得、他陣営を圧倒する論戦を展開するなど健闘しましたが及びませんでした。
当選は、現職の大橋一夫氏(66)=自民、公明、連合京都推薦=でした。
市長選は、奥井氏、現市長の大橋氏のほか、松山前市長の副市長だった嵳峩賢次氏(65)、元市内小学校長の小瀧真里氏(60)の計4人の争いでした。投票率は49.80%(前回53.66%)で、過去3番目の低さとなりました。
今回の市長選では、コロナ危機、相次ぐ水害、くらしと営業の危機のもとで、福知山市の市政のありかたが全面的に問われました。
福知山市では、前市政、現市政のもとで、支所機能や、小学校、保育所の削減、切り捨て、旧町の公共施設の民間委託などの「公共施設マネジメント」や、市の事業を廃止356、見直し677と大ナタを振るった「全事業棚卸し」がすすめられました。その一方で、水道料金の大幅値上げや、子どもの医療費は一回500円の負担が放置されてきました。この間、水害対策に不可欠な土木事務所や振興局の統廃合も強行されました。
選挙戦のなかで、こうした前市政、現市政による切り捨て・削減の実態を厳しく批判し、いのちと暮らし応援の市政への転換を一貫して訴えてきたのは、奥井氏だけでした。この奥井氏の訴えは選挙戦の全体を大きくリードしました。
この点は、マスコミが、「選挙戦では主に、市の計1123事業を検証した大橋氏の1期目の看板施策『事業棚卸し』の是非が問われた」「(当選した)大橋氏の得票は1万3754票と、一騎打ちに圧勝した前回より約7700票減り(前回比64%)、得票率も44%にとどまった。批判票に込められた思いを重く受け止める必要がある」(16日付け「京都」)と報道している通りです。
当選した大橋氏の得票については、前回は大橋氏と対決した自民党・公明党が、今回は一転して大橋氏を推薦したうえでの大幅減票で、自・公の参院比例票の合計にも届きませんでした。大橋氏自身、選挙中に「今まで私が出た選挙のなかで一番厳しい選挙」と繰り返しました。
選挙戦の終盤、現職の「切り捨て・削減」への批判を、奥井氏以外の候補者も前面に打ち出すようになり、「候補者の違いが分からなくなった」という声も出ました。また大橋市長は、合併債が来年度ゼロになるもとで財政対策を必死に進めている点をアピールしました。
コロナ禍の後手後手の対応や黒川元検事長をめぐる対応など、安倍政権への批判が高まっているなかでの選挙戦だけに、日本共産党中丹地区委員会は、「安倍政治いいなりの市政への転換」を訴える「福知山民報」を配布しました。
「民主市政をつくる会」は選挙後、「民主市政をつくる会として結束してたたかえた点でも大きな前進があり、福知山の新しいたたかいの出発点となる貴重な選挙戦となった」として、今後、奥井氏の掲げた公約実現へ、日常的な対市要求運動と共同とりくみを強める決意を表明しています。
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当 13754
大橋 一夫 無現
7230
嵳峩 賢次 無新
6977
小瀧 真里 無新
3076
奥井 正美 無新