(京都府旅館ホテル生活衛生同業組合との初懇談で意見交換する、こくた議員。9月1日、京都市)
こくた恵二さん物語(上) 衆院議員(比例、京都1区)
今年夏の参院選。史上初めて全国すべての1人区で野党統一候補が実現し、11選挙区で勝利、「共闘効果」が示されました。新しい政治を切り開いた背景には、市民運動の発展、日本共産党の躍進と、共闘の実現に力を尽くした、こくた恵二衆院議員・国会対策委員長(69)=8期=の役割がありました。
2月19日の野党党首会談。安保法制廃止や安倍政権の打倒、国政選挙でのできる限りの協力などの4項目を合意し、野党共闘が大きく前進しました。マスメディアの一部に「1人区すべての共闘は難しいのでは」との観測があるなか、こくた議員は「必ずすべてで実現させる」と強調。それは、「『安倍暴走をストップするにはこの道しかない』と後を押す市民の運動への確信があった」(こくた議員)からです。
国民の立場で筋
参院選が迫るなか、統一候補の擁立を粘り強く努力し、共闘をまとめあげてきました。国対委員長をつとめ20年目。「野党共闘の要」役を果たせるのは、国民の立場で筋を通し、長年、信頼関係をきずいてきた、こくた議員だからこそです。
次期総選挙に向け、「私たちは野党間での共通政策、相互推薦・支援、政権問題についての前向きな合意を提起しています。市民と野党の共闘は前にすすむ力に満ちていると実感しています。共闘の発展、共産党躍進で、野党連合政権をつくるため全力をあげたい」と決意します。
1993年の初当選以来、「政治を国民の手に」をモットーに、国民の声を代弁し、政治を動かしてきました。
地震や津波などの災害では、ただちに現場に駆けつけ被災者の生活再建、復興に奔走。
1995年1月17日の阪神・淡路大震災。同日昼過ぎには現地で救援活動を開始し、翌週には国会で国が生活再建の個人補償を行うよう迫りました。作家の故・小田実さんらと力を合わせ、「個人資産への税金投入はできない」と拒んできた政府を動かし、2007年には被災者生活再建支援法の住宅再建本体への助成を実らせました。
東日本大震災では、被災者の生活と生業(なりわい)の基盤を回復し、再出発に国が責任をもつことを追及。被災した三陸鉄道は国の全額負担で復旧を実現させました。
国の規制緩和や大企業の横暴に苦しむ業界・業者の切実な声を届けてきました。
規制緩和に反対
各地で騒音などのトラブル、安全・衛生を脅かす「民泊」が急増。9月には、旅館業者らでつくる「京都府旅館ホテル生活衛生同業組合」と初めて懇談し、北原茂樹理事長らが出席。政府の規制緩和に対し「安易な緩和は、国民の安全と公衆衛生を守る旅館業法の否定」との国への要望が紹介され、こくた議員は「住んで良し、訪れて良しが観光の基本。規制緩和には反対」と応じました。
コンビニ加盟店に「廃棄ロス」を押し付け本部だけがもうかる「コンビニ会計」の不公正な仕組みを追及し、経済産業大臣も「きちんと是正させる」と答弁(2014年2月)しました。
京都の伝統・地場産業の振興はライフワーク。西陣織の帯の逆輸入で原産地表示を実現、伝統産業の希少道具の保存の重要性を政府に認めさせました。2008年には西陣織工業組合が「京・ベストタイ・ドレッサー」に認定。
ダンス文化を奪うダンス規制法では、いち早く若者やクラブオーナーの声を国会に届け、超党派の議員連盟の幹事として運動をリードしました。
(つづく)
(「しんぶん赤旗」2016年12月6日付けより転載)