地域経済発展にもつながらない
北陸新幹線の福井県敦賀以西の未着工のルート選定で、与党のプロジェクトチームは20日に、福井県小浜市から京都駅を通る「京都・小浜ルート」を正式に決定し、京都―新大阪間は年度内に結論を出すとしました。これを受け、日本共産党京都府委員会は26日、「延伸」計画をめぐるこの間の経過の特徴は「まったく無謀でずさん」「地域経済の発展にもつながらないものであることが、いよいよハッキリした」とし、計画を中止・撤回するよう求める見解(第3次)を発表しました。党府委員会は「延伸」計画について3月と11月にも見解を明らかにしています。
第3次見解は、「関西メガリージョン(大都市圏域)」構想に乗り遅れまいとする「延伸」計画などの新たな大型開発の方向は、「三大都市圏」への産業と人の集中をより加速し、地方の疲弊に拍車をかけるだけと批判しています。
「延伸」計画やリニア中央新幹線建設の「前倒し」の背景には、大型公共事業・「利益誘導」型政治の公然たる復活があると指摘しました。
今年に入っての「一大キャンペーン活動」では「結局、ルートを決めるのは政治力」(公明党衆院議員)と言い放ったことや、国の「基本計画」路線にない「舞鶴ルート」と山陰新幹線の「共有区間」論が押し出されたことなどに触れ、「こうした『利益誘導』型政治が、住民不在、推進派内でも足並みがそろわない『ルート』決定の背景だ」と強調しました。そして「府民や自治体関係者を巻き込んだ自民、公明、京都府知事らの責任は重大で厳しく指弾されなければならない」と述べています。
「新たな暴論」として、府知事が「ルートの問題と負担の問題は一応今のところは切り離して」と答弁し、財政より「ルートと建設、先にありき」で財政規律を無視した無責任な態度を示したことを告発しています。
急浮上した「南回りルート」=京田辺・狛田地区への「新駅」設置について、並行在来線がどうなるか、住宅密集地などをどう通すのか、沿線自治体の財政負担はどうなるかなど新たな矛盾が生まれると指摘しています。
(「しんぶん赤旗」2016年12月26日付けより転載)