2017.5.26 (金)
党京都市議団 違法「民泊」調査
行政が取り締まって 住民から不安の声相次ぐ
京都市内で違法「民泊」が急増し、市民生活を脅かす深刻な被害が広がるなか、日本共産党京都市議団(18人、山中渡団長)は17日、清水寺(東山区)などの観光地に囲まれた六原学区で、聞き取り調査を行いました。調査には地元党支部の応援も受け、のべ26人が参加しました。
同学区で許可された簡易宿所は3月末で48施設でしたが、調査で新たに31施設が確認され、そのうち無許可営業が確実な施設は13ヵ所にのぼりました。京都市の指導要領は帳場(フロント)での対面受け付けを求めていますが、許可を受けた施設でも対面でカギの受け渡しを必要としない番号キーなどの施設が19あり、従業員による受け付けが確認できたのは20施設にとどまりました。協定書を結ばせたのは4施設で、町内会への加入は14施設でした。
調査は、京都市が事実上、違法「民泊」を野放し状態にし、安倍政権が「民泊」新法で規制緩和をねらうなか、違法「民泊」急増の実態や生活環境への被害、まちへの影響を明らかにし、行政への対策を求めるために実施したもの。従業員や帳場設置の有無、連絡先の表示、地域での事前説明会、協定書締結の有無などを調べました。
同学区は人口約3300人。六波羅蜜寺などの寺社や、細い路地に民家や町家が並ぶ風情ある町並みが見られます。「住み続けられるまちに」と、住民組織による「空き家対策」など継続的なまちづくり活動も行われています。
調査では、路地を少し歩くと、許可施設以外の新たな「民泊」施設、空き家が改修され開業目前とみられる「民泊」がいくつもできていました。住民から「間違えてチャイムを押される」「オーナー不明。ごみを指定袋で出さない」「火事になったらと心配。困りもんです」などトラブルや不安の声が相次いで寄せられました。
ある「民泊」のオーナーは、近隣のオートロック式マンションに旅行者が出入りし、違法「民泊」が横行していることに怒りをぶつけました。「費用もかけ、法律を守りまじめにやっているところが泣きをみる。行政がきちんと取り締まるべきだ。根絶のためにできることが協力したい」と切実な声を寄せました。
日本共産党の、ちさか拓晃・衆院京都2区予定候補も参加しました。
今回の調査などを踏まえ、党市議団は6月11日午後2時からホテルルビノ京都堀川で、民泊問題を考える集いを企画。国会で民泊問題を追及する、こくた恵二衆院議員・国対委員長と市議団が報告します。5月28日も、こくた議員を迎えたシンポジウムが午前10時30分から知恩院・和順会館で開かれます。
急増する「民泊」の問題で実態調査に入る党市議団(17日、京都市東山区)
(「しんぶん赤旗」2017年5月23日付けより)