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活動と政策

2017.6.6 (火)

京都市美術館モニュメント 切断工事中断し工法再検討

市民・芸術家の行動と共産党論戦が動かす 富樫実氏寄贈作品

 京都市美術館(左京区)の再整備事業に伴い、敷地内に展示されている彫刻家・富樫実氏の寄贈モニュメント「空(そら)にかける階段’88─Ⅱ」を切断して移設する工事をめぐり、市は5月24日、工事を中断し、工法を再検討する方針を明らかにしました。市民や芸術家らが、作品の保存を求めて市への要請や宣伝行動を実施。日本共産党は、住民運動と共同し、工事中止を本会議で要求(19日代表質問)してきました。中断・再検討は住民運動と議会論戦が実ったものです。
 同方針は、24日の市議会文化環境委員会で、工事中止を求める陳情書(京都彫刻家協会が4月24日提出)審議の際、市が表明しました。
 質疑で、日本共産党の井坂博文議員は「切断・分割したら作品の価値は喪失する。作家の『著作人格権』や収蔵品である市民の財産の破壊だ。工法を再検討すべき」と主張。自民、公明の委員からも「安易に切断するのではなく、作品を残す方法もある」「慎重に扱うべき」などの発言が相次ぎました。
 平竹耕三・文化芸術政策監は「指摘を踏まえ、もう少し立ち止まって考えていきたい」と答弁しました。
 委員会に先立つ5月20日、京都彫刻家協会が「切断工事を中止し、保存を求める」特別決議を採択し、市に提出。委員会当日には、工事の中止を求める市民らが委員会室前に立ち、「京都市美術館が自ら収蔵作品を壊すな」「彫刻破壊は京都の恥」などと書いた横断幕やプラカードを掲げて、委員の市議らにアピールしました。
 富樫さんも同日、門川市長宛てに、作品の切断に「同意しない」とする文書を提出しました。
 工事中断の方針を受けて富樫さんは、ほっとした表情で「作品は芸術家の命。分割・切断は自分の身が切られるような思いだった。必要な対策を取って、現状のまま保存してほしいと願っている」と話しています。

移設ありき方針撤回を 共産党が見解

 日本共産党市議団は25日、「移設ありき、切断ありきの方針を撤回し、専門家の意見や提案を幅広く聞き、作品の保存を求める」見解を発表しました。

1941 委員会室の前で委員に訴える市民

(「京都民報」2017年6月4日付けより)
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