2018.2.20 (火)
共闘の力で府政変える わが府県の挑戦(上)
目前に迫る京都府知事選(3月22日告示・4月8日投票)、来年連続してたたかわれる統一地方選と参院選にどうのぞむか。日本共産党の渡辺和俊・京都府委員長に聞きました。
―府知事選は、弁護士の福山和人氏と、前復興庁事務次官の西脇隆俊氏が10日に立候補を表明しました。それぞれの出馬の経過をどう見ますか?
西脇氏の方は、最初から自民党が主導し、公明、民進が加わる政党の組み合わせありきで、府政の中身もこれまでの林田府政、荒巻府政、山田府政の継承です。
福山さんが、戦争法廃止や一昨年の参院選、昨年の総選挙で「市民と野党の共闘」を求めて立ち上がった市民の推挙で決意されたのとは対照的です。
福山さんは、安保法制反対のたたかいで、京都弁護士会の副会長(2015年度)として、さまざまな主義・主張がある弁護士会をまとめ、立憲主義を守る一致点で府民的運動をつくってきた立役者です。
戦争法や共謀罪廃止などに取り組んできた市民のみなさんが、国政だけでなく府政でも広い共同を求めて発言されるなかで、背中をおされたのが経過です。
―京都の知事選では、これまでにない形です。
野党が本格的な選挙協力をした衆院選で局面が変わり、府政も「オール与党」体制が問われることになりました。私たちも、市民との共同を広げるとともに、立憲民主党にも節々で共闘をよびかけてきました。実際に、今回の選挙の出発の時点で、共産党以外のすべての党が自民党主導の候補者を推すという、これまでの構図は崩れています。
―西脇氏については。
相変わらずの中央官僚の候補というだけでなく、国交省幹部として大型開発の旗振り役でした。また、復興庁前事務次官として、「自主避難者」の支援を打ち切り、相次ぐ暴言で辞任した今村前復興大臣を支えました。この経歴に、原発ゼロや再稼働反対の運動をしてきた市民からは怒りが沸き起こりました。
自民党主導で決められた中央官僚か、市民とともに運動をしてきた在野の弁護士かという非常にわかりやすい対決構図です。
―西脇氏が継承するという「山田府政」の評価は。
全国知事会長として保険料値上げにつながる国民健康保険の都道府県化をすすめ、災害対策に重要な振興局や土木事務所を再編・統廃合し、予算も減らしてきました。一方で、リニア中央新幹線や北陸新幹線の誘致、新名神建設にともなう大型商業施設呼び込み、亀岡市のスタジアム強行、米軍レーダー基地を押しつけました。
安倍内閣がすすめる新自由主義的な経済政策を京都に持ち込んできた山田府政から、府民のいのち、暮らしを守る府政への転換が問われるのが今度の選挙です。
「民主府政の会」が開く21日の集会(みやこめっせ、午後7時)には、福山さんにも来ていただきます。ぜひ成功させたい。
―共産党としてどうたたかいますか。
すべての個人・団体・政党が広く共同し、その一翼を担って全力を出したい。市民連合と共闘関係を築いてきた国政野党には最後まで共同をよびかけます。
同時にたたかわれる伏見区と福知山市の府議補選で勝利し、福山府政を支える議席を増やしたい。安倍首相が9条改憲をねらうなかでの知事選です。すべての支部・党員が、「安倍9条改憲NO!3000万署名」で広く打って出て、それと一体に知事の選択を問う活動に力を尽くす決意です。
(つづく) (「しんぶん赤旗」2018年2月17日付けより)