2018.6.20 (水)
暮らし・福祉優先の市政へ―共産党、3議席確保へ奮闘
宮津市議選(定数14、2減)が17日告示されます(24日投票)。日本共産党の長林みよ(60)、うつのみや綾(48)=以上現職=、おのう孝之(63)=新人=の3候補は、現有3議席の確保へ向けて奮闘しています。3期12年の井上正嗣市政(今期で引退)は、小学校の自校給食廃止や公共料金値上げなど、市民への負担押し付けとサービス切り捨てを進めてきました。3候補は、「負担押し付けを許さず、住民の暮らし・福祉優先の市政に」と訴え奮闘しています。
同市では06年から財政健全化を掲げ、市政リストラを推進。障害者の福祉タクシー利用助成引き下げ(年間1万2000円から6000円)、下水道料金値上げ(約50%)、水道料金値上げ(約20%)、国保税の連続引き上げ(12年、13年)、ごみ袋有料化などサービス切り捨てと負担増を進めてきました。今年度から介護保険料基準額は府内最高の6980円となっています。
小学校の自校給食は今年9月から廃止し、中学校給食の開始と合わせ民間委託により一括で調理・配送を行うセンター方式の導入を決定。保護者らは「民営化で安全でおいしい給食が維持できるのか」と給食問題を「心配する会」を結成。センター化中止を求める請願(共産党以外の反対で不採択)を17年の市議会3月定例会に2130人分の署名とともに提出しました。
行革「効果」で、市債残高は06年度197億円から16年度125億円となり、72億円減りました。
負担押し付けの一方で、旅行会社などの外部人材を登用し、広域で観光事業を行うDMO「海の京都」(16年発足)の負担金として計約2億5000万円、11年から始めた竹を燃料とする発電(現在、休止中)などを行う事業に計約7億円を投入しています。
国民年金で暮らす70代男性は、「介護保険料と国保税で昨年より1万円超の負担増になった。借金が減ったなら、観光や竹事業でなく市民負担を減らすために税金を使うべきだ」と憤ります。
また、市民の反対意見を無視した給食センター化などの市政の進め方に対し、市民からは「住民の声を聞くべきだ」と批判の声が上がっています。同市はスケートボード専用の公園を今年度に廃止。公用車の駐車場確保などが目的で、利用者には廃止決定の通知が送られただけでした。
子どもと利用することが楽しみだったという30代男性は、「府北部では公営は宮津と舞鶴にしかなく貴重な場所。廃止を決める前に代替案の相談など、意見を聞いてほしかった」と嘆きます。
住民の命を脅かす事態への首長の姿勢も問われています。今年5月、京丹後市の米軍レーダー基地がレーダー停波を行わず、ドクターヘリによる負傷者の搬送が遅れました。井上市長は米軍基地設置について「国の専権事項」とし、国の悪政に追随する態度を示してきました。
日本共産党宮津市議団は、暮らし、命を守る市政の実現を掲げ、市民への負担押し付けを許さず、教育環境整備や公共交通充実など、住民要求実現に取り組んできました。また、原発問題など国の悪政に対し、市民と共同し、きっぱりと対決してきました。
子育てや教育環境の充実では、2016年度から就学援助費を国基準の9割支給から満額支給への拡充を実現。また、入学準備のための前倒し支給についても来年度から実施が決まりました。党議員団は満額支給と前倒しを繰り返し議会で要求してきました。
就学援助を受けている母親(40代)は、「少しでも額が増えるのはありがたい。来年は下の子が中学生になるので前倒し支給もうれしい」と語ります。
また、小中学校へのエアコン設置とトイレの洋式化も20年度までに実施されます。市議団は学校の現地調査や教職員からの聞き取りも行い、実現を要求してきました。
公共交通の拡充でも、13年10月に、路線バスの同一区間内の運賃について定額200円とすることを実現したのに続き、昨年からは路線の拡充(栗田地域から由良地域)も行われました。党議員団は200円バスの先行自治体を視察し、議会で実施を要求してきました。
由良地区の大石陽子さんは、「膝が悪く、買い物に行くのに鉄道の駅から歩くのが大変だった。バスで近くまで行けるようになり、本当に助かっている」と喜びます。
国の悪政に対し、議会に住民の反対の声を届けるとともに、共同で行動してきました。原発30㌔圏内の同市では15年に、関西電力社長の発言を契機に、使用済み核燃料の中間貯蔵施設の建設候補地が、栗田地区にある関電施設「宮津エネルギー研究所」ではないかという不安が市民の間に広がりました。住民団体が建設反対を訴える4063人分の署名とともに請願を同年9月定例会に提出しましたが、賛成したのは共産党議員団だけでした。
最終的に、施設建設について市長が「断固拒否の姿勢であたる」と表明し、関電側も「府内への立地を考えていない」と明言しました。 栗田地区の神田長一さんは、「関電社長が変わり、市長の姿勢次第で、候補地として復活する可能性が否定できない。共産党議員団には引き続き、議会に反対の声を届けてほしい」と語ります。
15年の戦争法の問題では、宮津・与謝地域では住民と野党の共同による取り組みが行われました。同年9月に実施された共同集会では、同市議団ら300人が参加。一貫して運動を励ましました。
(「京都民報」2018年6月17日付より)