「大軍拡」と「専守防衛」を保守の皆さんに問う
参院選公示目前の2つの世論調査に注目しました。
一つは、昨秋の総選挙の比例で自民党に投票した人のうち、「今回の比例投票先を自民党と回答したのは、57.1%だけ」という調査(「共同」)。
もう一つは、自民党支持層のうち投票先に自民党を選んだのは7割にとどまった」との調査(「産経」)です。
これは、選挙戦をたたかっての私たちの実感でもあります。
19日投票の京都府宮津市議選で、自民党は前回比77.7%と得票を大きく減らし、現職が一人落選しました。自民党支持者でも自民党への投票動機が弱い一つの要因は、岸田政権が物価高騰に無策な一方、財源も示さずに「軍事費倍増」だけは声高に叫んでいることにあるでしょう。
私は、「専守防衛」の原則が危うくなっていることが保守層の疑念を招いているのも、もうひとつの要因と考えます。
保守も含めた国民多数の合意は、「専守防衛」の自衛隊の存在と役割を受け容れている点にあります。「敵基地攻撃能力」保持をめざす自民党の方針は、「専守防衛」を危うくしかねません。
維新は、「専守防衛」を投げ捨てろと主張しています。6月19日、舞鶴で演説した維新代表は、「6年以内に台湾有事はある」との米軍高官の言を引き、「もう一度舞鶴と京都府北部を防衛の拠点に」と訴えました。安保法制は、日本が攻められていなくても、集団的自衛権を行使して、米国による海外での戦争に自衛隊が参戦する道を開きました。ここに現実の危険があるのに、「軍事対軍事」「力対力」を煽り、外交を一切語らないのは、政治家として失格です。
公示を明日に控え、「平和も暮らしも壊す軍拡を許すな」、「専守防衛の原則をゆるがせにするな」と、保守の皆さんにも声を届ける選挙にしたいとの思いを強くしています。
2022年6月21日 府委員長 渡辺和俊